緑の投資価値/ビジネススクールの研究



米国フィラデルフィア市を対象として、緑への投資効果を研究したレポートが発表されました。

http://www.pennsylvaniahorticulturalsociety.org/phlgreen/seeinggreen.htm



 この研究はペンシルバニア大学のウォートンスクールが実施したもので、Kensington 地区の販売情報、税情報や樹木の状況など50のも変数をGISで解析し実施されたものです。

 フィラデルフィアをはじめとする米国の大都市ではドーナッツ化現象による中心市街地の荒廃、未利用地(空き地)の増加が問題になっています。ここでは、そのような空き地を緑地として活用することにより、地域の不動産価値が上昇することも定量的に報告されています。

 主な報告内容は次の通り

Key Findings of the Wharton School Study


  • Cleaning and greening of vacant lots can increase adjacent property values by as much as 30%.
  • Planting a tree within 50 feet of a house can increase its value by about 9%.
  • Location of a house within 1/4 mile from a park increased values by 10%.
  • Neighborhood blocks with higher concentrations of unmanaged vacant lots displayed lower house prices, about 18%.



 米国/ペン大では大学図書館やCMLが中心となり様々なGISデータベースが整備されており、このような研究が実施しやすい環境を提供しています。

 日本においても以前は情報入手の制約が課題となっていましたが、今月27日から不動産取引価格情報が公開される(予定)など今後の研究に向けた環境が整いつつあります。



 ちなみに、このブログでも紹介したフィラデルフィア市Urban voids 空き地利活用コンペの結果が発表されました。なかなかの力作ぞろいです。ご参考まで



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