街路樹の必要性/Why Shade Streets



まちづくりに携わる中で、”街路樹の必要性”について問われるケースは多いのではないでしょうか?



街路樹に関しては、表参道などを良好事例として、まちなみ形成上必要だとする認識がある一方、落ち葉の清掃などメンテナンス上の課題、それと関連した強剪定など景観的な課題、歩行障害や根による舗装面の破壊などネガティブな側面を指摘する意見も多く出てきます。



街路樹の有無によって商店街の売り上げが左右されるといった研究成果も発表されていますが、まだ、接道部分の地権者を納得させるに十分なデータとはなっていないようです。





今回紹介するのは、大きな緑陰による街路樹整備により、道路のメンテナンスコストが下がるという米国からのレポートです。



高木の緑陰により、夏場の舗装面の温度上昇を防ぎ、結果として舗装面の補修機会が減少しメンテナンスコストが大幅に削減されたという結論になっています。



成果の一例として、街路樹のない道路と比較して街路樹のある道路は平方メートル当たり約$7のメンテナンスコスト削減を実現できたようです。



また、小さい街路樹では大きな緑陰を生まないため効果を発揮できないと指摘されています。



本年5月にドイツ・ボンで開催される第9回生物多様性条約締約国会議(COP9)においては、”都市と生物多様性”が大きなテーマとして取り上げられるそうです。

街路樹の役割も、景観面からだけでなく、総合的なランニングコストや不動産価値向上、さらに生物多様性からの側面などさまざまな切り口で議論していくことが必要ですね。



■関連サイト

Why Shade Streets? The Unexpected Benefit:http://www.fs.fed.us/psw/programs/cufr/products/cufr_673_WhyShadeStreets_10-06.pdf

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